箱根駅伝の思い出

来年1月10日(土)11日(日)の午後(東部時間)、箱根駅伝の総集編の放送を行うことになりました。既に多くの方から、「本当に箱根をやるのか」というお問い合わせや激励のメールをいただいています。まことに有難く、今回の放送の言い出しっぺとして感無量です。

個人的にも箱根駅伝には色々な思い出があります。小さい頃、父に連れられて権太坂や高島町のあたりで選手たちを応援したのが、箱根駅伝の最初の記憶です。当時は中央大学の全盛期で、中大のOBだった父の影響で、私もCのマークに声援を送っていました。

その後も横浜に住んでいた時は、戸塚や鶴見の中継所に足を運びました。選手が近づいてくると、ざわざわと空気と小旗が揺れはじめ、歓声が一気に高まって、あっという間に走り去っていく・・・。まさに一瞬の出来事ですが、選手たちから確かな力をもらったような気がしました。ランナーというのは本当に速いんですよ。

「応援追っかけ」をする人も少なくないらしく、小田急では新宿ー箱根間の「追っかけ切符」というのを発売していました。また、復路の観戦を終えてJRの戸塚駅から横須賀線に乗ると、次の鶴見中継所に向かうらしい応援団や補欠・サポートの選手たちと一緒になることもありました。本番に出られなかった選手たちはさぞ悔しかったでしょうが、そうした表情を見せない明るさに打たれました。監督は当日、メンバー変更をよく行いますが、私がその立場だったら、とてもそんなことは出来ないだろうと思います。

長距離ランナー育成を目的として始まったこの大会が、かえって選手たちの将来性をつぶしているという批判もあるようです。でも、それは仕方ない面もあるのではないでしょうか。甲子園を目指している高校生に、「今そんなに練習したら、将来大学やプロに進んだ時、ダメになっているよ」と言っても、彼等は聞く耳を持たないでしょうし、そんなことは言われたくもないでしょう。

箱根駅伝の選手たちを見るたび、その一瞬に人生のすべてを賭ける潔さと美しさに打たれます。「問題先送り人生」で生きてきた自分だから、特にそう思うのかもしれません。

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