江差追分日本一

毎年秋の訪れとともに、北海道の江差町で「江差追分全国大会」が開かれます。あの「かもめの~」で始まる民謡は、どなたも一度は耳にされたことがあると思います。

江差追分会館には、この曲を歌うためだけに日本全国はもとより世界中から何百人もの人が集まり、日本一の座を競います。全員歌うのは「江差追分」ただ一曲ですが、歌い手によってこうも違うかと思うくらい印象が異なります。まさに江差追分からはその人の人生が聞こえてくるような気がします。今年は9月14日(金)から3日間の予定です。インターネットによる中継もありますから、ぜひご覧下さい。

北海道にいた時、大会で優勝された20代の女性にお話を伺ったことがあります。その方は実力十分で、毎年「日本一間違いなし」と言われながら、アガるせいもあって、何回も苦杯をなめていました。念願の優勝を果たした彼女に、私は「これからはゆっくり歌えますね」と声を掛けました。

その時、彼女から返ってきた言葉が忘れられません。「これから私の歌を聞かれる方は、これが日本一の歌だと思ってお聴きになるのですから、今まで以上に緊張します」

何と立派な言葉だろうと、問うた自分が恥ずかしくなりました。

 

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