うなずき

テレビジャパンを流してもらうケーブル局と契約を結ぶ必要に迫られた時や、様々な法律上のアドバイスをもらう必要が生じた時など、ワシントンDCにいる会社の顧問弁護士のところに足を運ぶ。彼の方がNYに来ることもあるから、結構な頻度で顔をあわせていることになる。

彼とは公私とも親しくさせてもらっているのだが、ひとつだけ気になることがある。ビジネスの場の会話になると、彼は私の話に対してあいづちを打ったりうなずいたりすることがほとんどない。日本人の場合、相手の言い分に賛成だろうが反対だろうが、ほとんどそれに関係なく、過剰なくらいうなずいたりあいづちを打ったりする人が多いものだが、彼は私がしゃべっている間、特別の反応を示すことなく、じっと目を見つめながら話を聞いている。そうされると私としては、日本的な会話の反応に慣れてきたせいか、しゃべりにくい感じがするのだ。

すべての弁護士が彼のようかどうかは分からないが、彼の気持の中に、「うなずくことで、自分が相手の考えに賛成しているかのような印象は与えたくない」という考えがあることは間違いないだろう。

以前、別の弁護士と一緒に交渉事に臨んだ時、「今日はあんまりnodしてはだめですよ」と言われたこともあった。ワシントンの彼も、私的にメシを食べたりする時になると、結構うなずいたりあいづちを打ったりするところを見ると、あの「うなずきレス」はon dutyの時のテクニックなのだろう。

余談になるが、私にとって弁護士との会話は、話している内容は難しいが、ヒアリングはむしろ楽だ。どんなことについて話しているのか、どういったことが選択肢として提示されそうか、見当がつきやすいからだろう。

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