感激屋

去年の暮れ、「情熱トークUSA」では、NYメトロポリタン美術館の美術顧問でキュレーターの小川盛弘さんのインタビューを放送しました。空前絶後の「サムライ・アート展」を実現させた小川さんのお話は「俺がやらねば誰がやる」という情熱に満ちたものでした。静かな話しぶりだけに、かえって強い気迫が伝わってくるように感じました。

「この展覧会を実現させるまでお前は死んではいけない、と天から言われていたように感じていた」「このように苦しいけれど大きな仕事にあたれたことは、まさに男子の本懐だった」というお話に対しては、視聴者の方から特に大きな反響がありました。番組をご覧になって展覧会に足を運ばれた方も多かったそうで、スタッフ一同、大変嬉しく思っています。

小川さんのお話を伺ってあらためて感じたのは、「人生で最も大事なことは使命感だろう」ということです。こうした使命感は、日本ではもう見られなくなってしまったように思います。「何か、誰かに触れて志を立てる」ということも最早稀有でしょう。

「お前はいつからそんな感激屋になったんだ」と冷やかされそうですが、大事なことは感激を一過性のものとせず、その気持を継続し深めていくことなのだろうと思います。これは実に言うは易く行うは難いことですが。

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