真ん中から座りますか?

NYの地下鉄に乗っていて、「日本とは違うな」と感じる点のひとつが、ガラガラに空いている時の乗客の席の占め方だ。横一列の座席の場合、東京なら乗客は間違いなく座席のいちばん端から座っていく。日本人がいちばん端っこに座りたがるのは、自分の横のスペースが中途半端に空いた時、妙に気を使わなくてもすむからだろう。

一方アメリカはどうかと言えば、乗ってきた人の多くは横に長い座席の真ん中にドンと腰掛ける。端に席を取る人もいるが、そういう人はどうも少数派のようだ。また、混んで来た車内で荷物を自分の横に置いている人も少なくないが、そういう人も立っている乗客から「座らせてくれ」と言われたら、素直にスペースをあける。

電車の席の取り方には、「察することをどこまで美徳と考えるか」という問題が反映しているのかもしれない。ただ不思議なのは、あれだけ察するということに長けた日本人が、お年寄りやおなかの大きな女性たちがくると、あっという間にタヌキに変身してしまうことだ。あれはどうしてなのだろう。

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