その場にいられることへの感謝

今、日本では高校野球の予選が真っ盛りですね。アメリカ人に「日本でいちばん人気のありスポーツは何か」と聞かれ、「ハイスクールボーイズの全国野球大会じゃないか」と言ったら、信じられないという顔をされました。

日本にいた時、アメリカ人から「バッターは打席に入る時、よく帽子を取って挨拶するが、あれはどうしてなのか。審判に自分に都合の良い判定をしてもらおうという訳じゃないだろうが」と質問されたこともあります。

試合開始の時、全員であいさつしているんだから、打席ごとにいちいち礼などしなくてもいいじゃないかと思う私ですが、その質問には次のように答えた記憶があります。たしか思想家の内田樹氏も同じように言っておられました。

「その場に自分がいられることへの感謝。そしてその場とその時間が、自分にとっても相手チームにとっても審判や観客にとっても、豊かなものになるように願ってあいさつしているのだろう」

そのアメリカ人は「まるで宗教みたいだな」と笑っていましたが、高校野球にはたしかにそういった面もあるかもしれません。

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